研究室に西アフリカのマリからひとりの青年が研修に来ている。
小さい頭に澄んだ瞳は褐色の鳥のようだ。
マリから来た青年は、時々長いワンピースのような民族衣装を着ている。
ケニアから来ている研究生に、ケニアでも同じような服を着るのかと尋ねたら、ワンピース型は西アフリカスタイルで、ケニアは上下に分かれた服を着るらしい。
マリから来た青年は、日本人ポスドクからPCRのやり方を学んでいる。
初めてPCRを使う青年は、なかなかうまくいかないらしい。
ラオスから来ている研究生が、私を指しながら、彼女も最初はうまくできなくて、1ヶ月以上ひたすら実験していたよ。とにかく、何度もチャレンジしなさいとマリから来た青年にアドバイスする。
「私は、マスターするのに3ヶ月以上かかったよ。みんなの実験のスタイルをよく観察し、みんながたてる音をよく聴き、わからないことは、インターネットで調べ、それでもわからなかったら私に質問しなさい。」といいながら、コンタミ防止用マイクロチューブオープナーを渡すと、マリから来た青年は、嬉しそうに目をきらきら輝かせながら「アリガトウ」と、覚えたての日本語で答える。
ある日、マリから来た青年が、研究室に並ぶ8台のPCRマシンの前でとても悩んでいる。"May I help you?"と声をかけると、「先週僕が使ったマシンは何番だったかわかりますか?」と質問する。
" I can not help you! そんなこと、わかるわけないじゃない!"
マリから来た青年は、小型ラップトップPCと iPad を持っている。
マリから来た青年は大金持ちのボンボンなのかもしれない。。。
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